Management 3.0 Japan Conference参加レポート

先日開催されたManagement 3.0 Japan Conferenceに参加しました。

management30.jp

 

印象に残ったセッションについて書き残そうと思います。 

 

コンピテンシーと能力獲得について

「組織の変化に必要なことは投資ではないだろうか?」と言うタイトルで

Management 3.0のツールのTeam Competency Matrixを使って、

組織の業務遂行に必要な能力を定義し、

メンバーが今どの状態にあるかを見えるようにして、

OKRに能力獲得を入れて組織で成長していくと言う取り組みについての発表でした。

 

多くの場合、能力獲得は個人に任せられ、

目標に対して必要な要素をどのようにチームとして獲得していくかが明確になっていることは少ないと思います。

コンピテンシーがない場合はOKRを達成することが難しいため、その能力を獲得することをOKRに組み込むことは目標を達成する為に重要になるので、素晴らしい取り組みだなと思いました。

また毎朝30分、コンピテンシー獲得のための時間を設けているとのことで、K8sの未経験のメンバーが多い状態から、現在は業務レベルで触れるメンバーが増え、今はまた新しいことに取り組んでいるという話があり、何を学習するかを明確にし、継続して学習するというスキームをチームに入れるのは効果的だなと思いました。

リモートワークにおける感謝の表し方

「リモートと感謝とキズナ」と言うタイトルで

リモートワークで繋がりが希薄になるなか、どのように感謝を伝えるかということについての発表でした。

感謝伝えることは承認されポジティブになるというような効果がありますが、リモートになるとより意識的に感謝を伝えるということをする必要があります。

そこで、Management3.0のツールのKudo Cardsをリモートでもやってみようという取り組みで、
感謝の見える化・共有化がしたいというところから
Kudo wallに近いスタイルで、カードもシンプルなものではなく色々なデザインのものを用意していました。

そして、チームで振り返りの時に鑑賞できるようにして、
活動をポジティブに締めくくることができるようになったそうです。

感謝を伝えるというような当たり前のことですが、

対面でもなかなかできないことが多いなか、リモートだとよりそのようなコミュニケーションが減るので、意図的に仕組みを入れることは重要だと思いました。

 

リモートワーク時代の新しい働き方

「Navigating The New Ways Of Working」と言うタイトルで
リモートワークでの新しい働き方についての発表でした。

 

リモートは難しい。
でもうまくやれたら自由になれる。
そして場所がとか働き方がとかではなく、強力に会社とつながった社員を手に入れることができるというメッセージがありました。

 

確かに、リモートの場合のメリットは、通勤時間がない、物理的な場所の制限がない、家族との時間が増えるなど、たくさんあると思います。
しかしデメリットもあって、コミュニケーションが取りにくい、仕事環境がよくない、ミーティングが増えたなど様々なことがあります。

 

多くの会社がリモートワークになるなか、コミュニケーションに関してオフィスでのやり方をそのままオンラインでやろうとしている。
なので、そのようなデメリットが出てきたりします。
リモートは働き方が違う、ラジオとテレビみたいな差がある。
媒体によって情報の作り方が違うように、表現の仕方とか信頼の構築の仕方とか、時間の使い方などを定義して意識的にする必要がある。

という話がありました。
先ほどの感謝を伝えるの話でもあったように、今までいい感じにやっていたところを定義して明確にし、それに合意してみんなで働く必要があるなというのは、改めて実感しました。 

 

やっぱり対面ができたらいいよねっていう話も出るけど、
本当に必要なのは同じ部屋にいるようにコミュニケーションが取りたいということなので、それを達成するための新しい方法にシフトしていく必要がある。

その通りだなと思いました。

 

発表者のリセットさんの著書があるので、こちらも読んでみたいと思います。

 

 

 

 

XP祭り2020に参加して

あまりXPについて学んだことがなかったので、きっかけ作りという思いも持って参加しました。
参加したセッションはXP30%、振り返り60%、コミュニケーション10%という割合で、そこから感じたことを書きます。

XPについて知ったこと

スクラムとXPの特徴

品質の高いプロダクトを作るにあたり、
スクラムは個々の能力が高いことが前提だが、XPは普通の開発者でも使うことができるので、上手いチームはスクラムとXPを組み合わせて使っているという話がありました。

確かにスクラムをやったから品質の高いプロダクトを生み出せるわけではなく、良い改善をしていくには個々の能力が必要だが、知識や経験を共有し、成長を促すXPのプラクティスを取り入れることで、品質向上に繋がるのは納得でした。


ペア作業

ペアプログラミングではなく、問い合わせ対応にペア作業を入れてみたという話で、元々個々で品質にばらつきがあったが、ペア対応により内容の質が向上したとのことでした。
ペア〇〇、モブ〇〇、はたまに会社でも話が上がっていて、ペア作業のメリットを理解した上で横展開していくのは改めて有効だなと感じました。

ただ、工数は大きくなり費用対効果を出すのは難しかったという話もあり、実験してみるというところから入るのは大切だなとも思いました。

 

ふりかえりについて

自分のチームでふりかえりが効果的にできていないなと感じることがあったので、何かヒントが掴めないかなという所で2つのセッションに参加しました。 

ふりかえりカードワークショップ

こちらのふりかえりカードを使って、ふりかえりをしてみようというワークショップに参加しました。

booth.pm

ふりかえりカードにはふりかえり中に使える問いが書いてあり、

その問いについてチームでふりかえりをしたり、KPTなど既存の手法の中でカードの問いを追加したり、ファシリテーションの中で投げかけてみたりというような感じで使えるアイテムです。

ワークショップでは問いを選び、その問いについて自分の仕事をふりかえってみるということをしました。

感じたこととしては、問いがあることで、考える範囲が絞られて今まで出てこなかった意見が出やすくなったという感覚があり、ふりかえりがマンネリ化したり、なかなか付箋が出てこなかったりするのは、問いがいけてなかったなーというところが見えてきたので、ふりかえりの時の問いの大切さを実感しました。

 

ふりかえりがうまくいかない原因

ふりかえりを浸透させるために、新卒研修でふりかえりについての研修をやったという話でした。

ふりかえりがうまくいかない原因はなんだろうというところから始まり、

ふりかえりをする→改善が進まない→意義を感じられない→開催がスキップされる

というような流れが起きていて、

改善が進まない要因って重たい改善項目が出て進まなかったり、表面的な改善で効果を感じづらかったりということがあるという分析で、

確かにふりかえりしても改善進まないし意義を感じられないっていうのは起きているなって思いました。

そんな中でふりかえりを当たり前のものとして習慣化するにはどうしたらいいかということに対して、

先に意義のインストールさえできてしまえば、ふりかえりは当たり前になるのではないかという仮説から新卒研修でそれを実施し、結果新卒全員が継続してふりかえりをやっているという状態になったそうです。

ふりかえりは立ち止まって定期的に見直すということができるので、継続することに意味はあるのと思うのですが、有意義なふりかえりって中々難しいので、それを続けるためにふりかえりってどんな意味やいいことがあるのだろうという意義のところを事前にみんなで理解してやるということができれば、継続してやっていくということにはポジティブになれそうだなと思いました。

 

まとめ

スクラムとXP、そしてふりかえり、経験学習のサイクルを様々なプラクティスを組み合わせて回していくことでプロダクトの価値を上げていけるし、何より楽しく仕事できそうだなっていうのが今日の発見でした。